岡山生まれ、四国リーグ香川オリーブガイナーズを経てNPBへ!野球人亀澤恭平さんが語るふるさと瀬戸内
瀬戸内地方にゆかりのある方に、瀬戸内の魅力を語っていただく連載企画「ふるさとラバーズ」。
第七回のふるさとラバーは、岡山県津山市出身で、プロ野球独立リーグでのプレー経歴をもち、香川県にもゆかりのある亀澤恭平さんです。
亀澤さんは、岡山県の大学を卒業後、四国アイランドリーグplusの香川オリーブガイナーズでプレー。
2011年ドラフト会議にて指名を受けた後、福岡ソフトバンクホークス、中日ドラゴンズとNPB2球団で選手として活躍されました。
現在は沖縄県のプロ野球球団 琉球ブルーオーシャンズで内野手として野球を続けておられます。
━━亀澤さんが生まれ育った岡山はどのようなところでしたか?
小学校の頃は基本的に放課後校庭で遊ぶくらいなことしかしていませんでした。
遊戯王カードが好きで、野球というよりかは、家でゲームを楽しんでいるような子どもでした。
中学校の頃、軟式野球部に入って、そこから本格的に野球を始めました。
地元岡山の風景で思い出に残っているのは、吉井川の河川敷です。
高校生になって、野球はもちろん毎日のようにやっていたんですが、この河川敷をよくランニングしていました。
また、近くにある津山城 鶴山公園は当時の彼女とのデートで訪れたりしていました。この辺りは18歳頃までの思い出が詰まった場所ですね。
吉井川河川敷(岡山県津山市)
当時はアミューズメントパークも一つしかなく、子どもがそういう限られた中で遊ぶと言ったら、田んぼでキャッチボールをしたり外で体を動かすことくらいしか正直やることはありませんでした。
でも、その時の風景がずっと印象に残っていますね。
そんな岡山が大好きでした。
岡山は都会ではないですが、海も山もあってすぐに釣りやグランピングなどを楽しむことができます。そんな田舎が僕は好きで、早く戻りたいなと思っています。
野球に勤しんだ学生時代
━━これまで所属チームによって色々なところに住まいを構えたことがあると思うのですが、今後長く住むならどこを選びますか?
やっぱり地元、岡山ですね。
ずっとそこにいて都会に出たいという思いがある人たちからは「お前変わってるな」と言われたりもしますが、僕は戻って住みたいと思っています。
「地域貢献をしたい」というのが将来的な目標なので、それに向けて今準備しているところです。
ふるらぶ せとうちさんの活動にもぜひ協力させてください。
━━ありがとうございます! 我々もスタートしたばかりですが、いつかラバーズの皆さんと具体的に何かをしたいと思っております。
ぜひお願いします!
━━高校時代は野球三昧だったかと思いますが、岡山での試合で思い出深い球場などありますか?
倉敷マスカットスタジアム(岡山県倉敷市)は、「阪神の試合やってるところか!」「ここで優勝したら甲子園なんだな」と、開会式で入った瞬間には「ワーッ」ってなりましたね。
実際試合をする時も、いつもより緊張したのを今でもめちゃくちゃ覚えています。
大学時代もそこでリーグ戦をしましたが、やっぱり大きな球場だと観客に見られている意識が高くなる、印象的な球場でした。
━━岡山のグルメについてもぜひ聞かせてください!
岡山と言ったら、B級グルメでも話題になったホルモンうどんなどがありますが、正直あまり食べていないんです(笑)
ですが、干し肉は高校生の頃くらいから食卓にはかなりの頻度で並んでいました。野球選手としては、やっぱり脂身が少ないというのが良くて。
干し肉に関しては、オフに帰ったら必ず行くお店があります。もうそこしか行かないというくらいです!
それは「ぼっけもん」というお店で、かれこれ14年くらいずっと行ってます。
━━大学時代も岡山で過ごされていましたよね。
はい、赤磐市(岡山県)に住んでいました。ここも田舎ですが良いところです。
岡山市にも足をのばしてごはんを食べに行くことも増えました。
とはいえ大学も野球ばかりやっていたので、出かけるとしたら夜、ドライブとかでした。
ドライブは、水島や鷲羽山ハイランドというテーマパーク、あとは友達と夜景を見に行ったりしていました。
━━大学野球部の仲間とよく行ったお店などありますか?
定番はありました。瀬戸の「輝寿司」(岡山県岡山市)!
ごはんおかわり自由のから揚げ定食があって、みんなでよく行きましたね。
ただそれももう12年ほど前のことで、昨年、以前お世話になったコーチにご挨拶するために大学に行く機会がありましたが、街並みもだいぶかわったなと思いました。
━━亀澤さんのプロ野球人生のスタートは香川県ですよね。その頃の生活は振り返っていかがですか?
野球人生の中で、香川にいた頃が一番野球をしていました。
「最後の一年」と親を説得して独立リーグに入ったので、ここで成功できずに諦めたらもう野球をやめるという約束をしたんです。
なので、デートとかもしていないし、遊びという遊びはその一年本当にしませんでしたね。
当時はお金も無かったので、どうやって食いつないでいこうかなみたいなことを毎日考えていました。
そんな時、うどんは美味しくて安くて腹いっぱい食べられるので最高でしたね。
━━やはり香川といえばうどんですか!
そうですね。香川のうどんは違いますね!
香川に来て、本当にうどん好きになりました。
やっぱり現地は安いですし、昼は絶対うどんでした!大盛りで300円くらいだったと思います。
━━それもまた行きつけのお店があったりするんですか?
はい!今でも流行ってると思うんですが、「竹清」というお店によく行ってましたね。
半熟卵の天ぷらが有名なお店で、結構今でも行列ができるらしいです。
そのほかには、チームスポンサーでもあった「日の出製麺所」ですね。
うちのチームに去年まで三好っていう選手がいたんですが(三好一生捕手・香川県坂出市出身)、彼のお父さんがやっているお店なんです。
ホームランを打ったらそこのうどんが一箱プレゼントだったので、いただいたうどんはよく実家に送っていました。
━━うどんの食べ方にこだわりはありますか?
もう基本はかけうどんです。お金がなかったので…。
ネギはトッピング自由だったので、それをひたすらぶち込んでましたね(笑)
ネギうどんみたいにしてみんな食べていました。
チームメイトに限らず、あまりトッピングをせずそのままを召し上がる方が現地は多かったように思います。
━━その後、瀬戸内地域から離れ、福岡や名古屋で過ごされる時期が続いたと思いますが、離れてからもふるさとを意識する瞬間はありましたか?
もちろん、広島東洋カープとの試合では瀬戸内地域に来ましたし、岡山でのオープン戦なども中日時代にはありました。
そういう時に、ものすごい数の地元の方が応援に来てくれたんです。
その時はやっぱり、自分はこんなすごいところ(プロの世界)に来たんだなということが身に沁みてわかりました。
僕が地元に帰った時も、おかえりと言ってくれる人が大勢いて、見てくれている人が多かったことにびっくりでしたし、知らない人に話しかけられて、こんなに僕のことを知ってくれてる人がいるんだな、という体験もたくさんあって。
ほんとに皆さん(自分のことを)チェックしてくれていて、応援してくれることに感銘を受けました。
人口は少ないですが、やっぱり地元には温かい人が多いのかなと感じました。
━━では最後に、ご覧いただいている皆さまへ、瀬戸内もしくは岡山のアピールをお願いします!
やっぱり人の温かさ、あとは美味しいごはんもありますし、フルーツもとっても有名になりました。
ありがたいことに岡山のぶどうや桃などを球場に送っていただいたこともあり、みんなで食べましたが、周りのチームメイトからは本当に評判が良いです!
そういう声を聞いて、岡山県民として僕もすごくうれしかったです。
そのように「美味しいものがたくさんあるんだぞ!」ということをもっともっと広く届けて、岡山の知名度を上げていかなければと思っています。
その中でも私の出身の津山市には、ぜひ足を踏み入れていただきたいです。お越しの際は、ぼっけもんと津山城 鶴山公園に行っていただけたらうれしいです。
もちろん津山以外にも、湯郷温泉(岡山県美作市)や湯原温泉(岡山県真庭市)もありますし、岡山県はものすごく良いところなので、ぜひいらしてください!
━━ありがとうございました!
ありがとうございました!
亀澤恭平さんプロフィール
1988年10月15日生まれ。岡山県津山市出身。
2011年に四国アイランドリーグplus・香川オリーブガイナーズに入団。
1年目ながら遊撃手のレギュラーに定着し、好成績を挙げる。
その功績がスカウトの目に止まり、同年12月に福岡ソフトバンクホークスに入団。
その後2014年に中日ドラゴンズへ移籍し、2020年に沖縄初のプロ野球チーム・琉球ブルーオーシャンズに入団。現在も内野手として活躍中。