広島から”夢”と”活力”を! ハンドボール実業団チーム 女子リーグ イズミメイプルレッズのポイントゲッター 秋山静香選手 河原畑祐子選手インタビュー
瀬戸内地域で活躍中のみなさまに、瀬戸内の魅力を語っていただく連載「ふるさとラバーズ」も第9回 となりました。
今回は、広島県のハンドボール実業団チーム「イズミメイプルレッズ」で活躍中の秋山静香(あきやましずか)選手と河原畑祐子(かわらばたゆうこ)選手です。
それぞれ別の地域からチームに入団したお二人に、広島をはじめとした瀬戸内での思い出やおいしい食 べ物などについてお話を伺いました。
秋山静香選手は岡山県出身、河原畑祐子選手は東京都出身で、ともに同じチームで同じポジションでプレーされています。
━━お二人はエースポジションとも呼ばれている“レフトバック”というポジションとのことですが、 ハンドボールにおいてどのようなポジションなのでしょうか?
河原畑さん:シュートを打つ、打ち屋です!(笑)
秋山さん:どちらも身長が高いので、上からシュートを打ち込んでディフェンスを引き出し、裏のスペースを空けてチャンスを作っていく役割です。
━━同じポジションのお二人は、一緒に試合に出られることはないのでしょうか?
秋山さん:ないですね。
河原畑さん:ライバルです(笑)
━━バスケみたいに試合中に頻繁に交代したりするんですか?
秋山さん:そうですね!
━━では、一試合でお二人のうちどちらかしか出られない、というわけではないと。
河原畑さん:はい、でも秋山さんの方が活躍しています。
秋山さん:いやいや、それは違います!(笑)河原畑さんが怪我してるので今は私が使われてるんですけど、完治したら絶対私より活躍します!!(笑)
河原畑さん:(首をはげしく横にふる)
━━(笑)お互い高め合う関係なんですね!
秋山さん:はい、でもほんとにいつも教えてもらって…
河原畑さん:・・・ッ!?
秋山さん:本当です!!(笑)河原畑さんの動画を見てシュートの打ち方とか動きの研究をしています!
秋山さんの発言に驚く河原畑さん(笑)
━━では、試合中や練習中はお互いはお互いのことをよく見ている感じなんですね。
秋山さん:よく見てます。学んでます!
河原畑さん:学ぶことが多いです!
━━本当に仲の良さが伝わってくるお二人ですね!イズミメイプルレッズはどのような特徴のあるチームなのでしょうか?
河原畑さん:とても若いチームだと思います。平均年齢がリーグ2番目に若く、とても活気のあるチームです。私はチームに所属して1年ほどですが、大学で引退時に手術をしたこともあって卒業後もリハビリを続けていました。復帰後は3ヶ月ほどドイツとデンマークで経験を積んだ後、メイプルレッズに入団しました。
━━海外での活動も...!それはやはり実力があるからできることなのでしょうか?
秋山さん:(力強く頷く)
河原畑さん:いや、そうでもないです!(笑)たまたまご縁があったので…!
━━そんなお二人はいつからハンドボールをされているんですか
秋山さん:私は小学2年生からやっています。クラブチームがあって、私が通っていた小学校のグラウンドで練習をしていたのと、兄2人のうち一番上の兄がそこでプレーしていたので、私も付いて行って見学をして、そこからハンドボールにハマって通いはじめました。
河原畑さん:私は小学校4年生からです!
━━やはりトップリーグで活躍されるような方は、ハンドボールを始めるのが早いようですね!お二人は、ハンドボール界では学生時代から有名な選手だったのでしょうか?
秋山さん:河原畑さんはとっても有名でした!
河原畑さん:いやいや(笑)
秋山さん:河原畑祐子って聞いたらもうハンドボールをやっている子はみんなわかる感じでした!河原畑さんが高校3年生で私が高校2年生の時に対決したことがあります。
河原畑さん:え?公式戦?
秋山さん:公式戦ですよ!!(笑)
秋山さん:たぶん選抜(全国高等学校ハンドボール選抜大会)だったと思うんですけど、2回戦で...
河原畑さん:わかんない...覚えてない(笑)
秋山さん:初めて対決して、私の高校がボロボロに負けました...。河原畑さんのチーム(佼成学園 女子高等学校)は強豪として有名だったんです。その年に優勝していました。
━━逆に河原畑さんは秋山さんのことを覚えていますか?試合のこととか。
河原畑さん:公式戦のことは覚えてないんですが、練習試合をしたことは覚えていて、その時は秋山さんにめちゃめちゃにやられた記憶はあります(笑)秋山さんはチーム(玉野光南高等学校)の軸みたいな感じでプレーしていたのですごいと思っていました。
秋山さん:自分で言うのもなんですが、私が3年生だった時は結構強くなることができて、インターハイでベスト4まで行きました。優勝校に1点差で負けてしまって...本当に惜しかったです。
高校時代の秋山さん(左)・河原畑さん(右)
━━秋山さんのいらっしゃった瀬戸内地域でハンドボールの強豪といえば、どこだったんでしょうか。
秋山さん:山口ですね。
河原畑さん:華陵高校、岩国商業高校、高水高校などが強かったです。
秋山さん:結構他の県って年代で強さに波があると思うんですが、山口県は変わらず毎年強くて中国地方では絶対1位レベルなので安定していますね。
河原畑さん:山口県出身の選手がメイプルレッズにも2人います。
━━イズミメイプルレッズの選手たちは、そのような強豪校から集まってくるんですね。ちなみに、 その後大学時代でも対決する機会はあったんでしょうか?
河原畑さん:大学では立場が逆です。秋山さんが王者(大阪体育大学)で、私は負けてきた方です。毎年準決勝あたりで対決して、ズタボロにやられていました...(笑)
━━そうでしたか...(笑)その当時、瀬戸内地方で行った試合で印象に残っているものはありますか?
秋山さん:私が大学4年生の時に、ヒロシマ国際大会という大会に呼んでいただきました。韓国、中国、イズミ、大阪体育大学の4チームで試合をしたことはあります。ただ、私はその時怪我していて出れなかったんですが...。
(※ヒロシマ国際大会は、広島でアジア大会を記念に開催されているプライベート大会。日本国内外の チーム、地元のチームを呼んで対戦する交流大会で、大阪体育大学は大学の全国大会を現在7連覇して いる大学ナンバーワンのチーム。)
大学時代の秋山さん(左)・河原畑さん(右)
━━なるほど。イズミメイプルレッズに入団されてから現在までは、お二人とも広島にお住まいでしょうか?
河原畑さん:そうです。チームの本拠地のある広島市内に住んでいますが、東京の東久留米市というところから来たので、東京に住んでいた頃より今の方が都会感はあります(笑)
秋山さん:私も同じく広島に、ちょうど1年ほど住んでいますが、地元は岡山県の総社市です。倉敷市の北にある市で、自然豊かで見渡す限り田んぼといった感じです。でも、ドラッグストアやスーパーはポツンポツンとあるので、生活には困らない良いところだと思っています(笑)
━━瀬戸内地域である岡山県出身の秋山さんに、地元についてのお話をうかがいたいと思います。小さい頃によく行った場所はありましたか?
秋山さん:施設が整っているわけではないので、小さい頃は自宅裏の山を探検したり、公園で鬼ごっこやかくれんぼをしたり、わんぱくな感じで過ごしていました!(笑)
━━岡山県総社市さんはふるさと納税も活発なんですが、なにか秋山さんのおすすめの名産はありますか?
秋山さん:雪舟寺(宝福寺)というお寺があって、雪舟が涙で鼠を描いた舞台として有名なんですがそれにちなんだ「雪舟もなか(ねずみの形をしたもなか)」だったり、総社の名産かはわからないんですけど「大手まんぢゅう」というあんこがはいった和菓子は、大阪の大学の友達に帰省から戻った際にお土産で渡したら喜んでくれました。
宝福寺
━━メイプルレッズに入団する前は広島や瀬戸内に行ったことはありました?
河原畑さん:大会で広島や徳島には来たことがありました。あとは、修学旅行が広島と京都でした。色々なところに行ったので広島の時間があまりなくてお好み焼きとか食べられなかったんですけど。
━━では入団後この1年間広島で生活する中で、どこか訪れた場所があれば教えて下さい。
河原畑さん:そうですね、秋頃の3連休に秋山さんと尾道の「未来心の丘」に行ってきました!「耕三寺(こうさんじ)」というお寺の上の方にあって、大理石でできているインスタ映えで有名なスポットでした。
秋山さん:大草原の中にあるのかなと思っていたので、実際はお寺の中にあって想像とは違ったんですが、インスタ映えはしました!(笑)
河原畑さん:二人ともはじめて尾道に行ったので思い出になりました!
未来心の丘にて
━━広島で暮らし始めて、お気に入りスポットはできましたか?
秋山さん:私が好きなものなんですが、最寄り駅(西広島駅)にたこせんのお店があって、すごくおいしいんです!それを河原畑さんにおすすめしたらハマってくださって、よく二人で駅まで歩いて買いに行ってます(笑)
河原畑さん:ハマっちゃいましたね(笑)月2回か3回くらい行っています。お手頃な価格で空腹が満たされるだけのボリュームがあるので、たまらないです(笑)
秋山さん:お好み焼きも食べるんですけど、コロナ禍なのでなかなかお店には行けてないんです。でも宅配サービスで注文したりはします(笑)午前の練習が終わった後に、先輩方が「お好み焼き食べたーい!」ってなって、まとめて頼んでくださって食べたりしています!
たこせんを頬張るお二人!
━━そのほか瀬戸内地域で印象に残っている場所や食べ物、イベントはありますか?
河原畑さん:夏前くらいに山口の山賊村や錦帯橋、周防大島あたりをドライブしました。コロナ禍で唯一かな、という小旅行でした。山賊村では山賊焼きや大きな焼きおにぎりを食べました。
錦帯橋
秋山さん:わたしは中学校くらいの時に家族で宮島に行って食べ歩きなどをした思い出があります。
秋山さんとお父さん。宮島での一枚
━━岡山の方々にとって広島は、県外ですが割と気軽に遊びに行けるようなところなんでしょうか?
秋山さん:そうですね。ちょっと遠出しようってなったら広島は足を運べる距離なので、お父さんの運転で家族で行った思い出があります!
━━まだ行ったことの無いところで行ってみたい場所はありますか?
秋山さん:瀬戸内地域でとても気になっているところがあります。香川に行った友だちが一鶴という骨付鳥のお店にすごくハマって通ってまして(笑)私もそこに行きたいなと思ってるんですが、コロナの影響もあってまだ行けていなくて...。いつか行ってみたいです!落ち着いたらもっと色々なところに行ってみたいと思っています。
━━ありがとうございます。このあとプレーオフで東京での試合があるとのことですが、優勝を祈って応援しています!
秋山さん・河原畑さん:ありがとうございます!がんばります!ぜひ皆さんハンドボールを見に来てください。
【後日談】
国立代々木競技場 第一体育館で行われた2021年3月12日からのプレーオフにて、イズミメイプルレッ ズさんは13日の準決勝で惜しくも敗退してしまいましたが、インタビューを受けてくださった秋山静 香選手は2020年度レギュラーシーズンの「最優秀新人賞」を受賞されました。そのほかにも「年間最 優秀選手賞」受賞のGK板野陽選手はじめチームメイトの選手3名がタイトルを獲得。今後も活躍の期待 がかかるイズミメイプルレッズをふるらぶも応援してまいります!
大会中の秋山さん(左)・河原畑さん(右)
楽しいインタビューでした!ありがとうございました!
秋山静香さんプロフィール
1997年12月5日生まれ。岡山県総社市出身。
兄の影響で小学校2年生からハンドボールを始め、高校時代は岡山県立玉野光南高等学校のエースとして活躍。
2015年の全国大会では自校初のベスト4へ導いた。
その後は大阪体育大学へ進学し、自身が主将を務めた2019年の全国大会では自校を7連覇へ導いた。
その後2019年度にイズミメイプルレッズに入団。現在もエースポジションであるレフトバックとして活躍している。
コートネームはしずか・しーか。
河原畑祐子さんプロフィール
1996年4月20日生まれ。東京都東久留米市出身。
小学校4年生からハンドボールを始め、高校時代は佼成学園女子高等学校のエースとして春の全国高校ハンドボール選抜、夏の全国高校総体での優勝にも貢献。
その後は筑波大学へ進学し、大きな怪我に見舞われながらも全国大会常連として活躍。
大学卒業後、ドイツとデンマークでのプレーを経て2019年度にイズミメイプルレッズに入団。エースポジションであるレフトバックとして活躍している。
コートネームはゆうこ。
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